『雑感』

稀に更新します。

欅坂46主演「残酷な観客達」は学園ドラマなのか?

 

 

17日(水)深夜にスタートした欅坂46主演「残酷な観客達(AX)」

Hulu先行配信で2話まで見終りましたが、前作に続き、とても興味深い作品です

www.ntv.co.jp この馬鹿忙しい時期にドラマ制作。大変の極み。

"プライバシーの保護を優先し、生徒や教師の名前を開示しない女子高"が舞台。女子高生21人(欅坂46)は突如教室に閉じ込められてしまう。教壇の上に置かれたタブレットから、彼女達の様子はリアルタイムでネット配信されており、教室の外に出るには視聴者(観客達)の前でパフォーマンスを行い、1万「いいね!」をもらう必要が分かる。出席番号17番の葉山ゆずき(平手友梨奈)は早速「いいね!」をもらうべく…

 

「徳山大五郎を誰が殺したのか(TX)」に続く、欅坂46が総出演する学園ドラマ。
平手友梨奈らメンバー全員が"教室ごと日常から切り離される"展開と、一億総監視社会(≒近未来)という設定はそのままに、半ば強制的に不条理な社会で"適応"を強いられる少女達と、その様子をSNS上から"監視"する動画視聴者「残酷な観客達」が繰り広げる全10話の構成。密室劇は(AKB殺人事件はCM)48系ドラマ初の試みです。

 

トーリーの軸は平手演じる"ゆずき"と長濱ねるが演じる"みこ"になりそう。演技力に定評のある石森虹花や、前作で存在感あった渡邊理佐、小林由依渡辺梨加、佐藤詩織、鈴本美愉らの見せ場にも期待します。

youtu.be サミュエル・L・ジャクソンばりに「ファ○ク」を多用する平手ちゃん(笑)

 

外から教室の様子を"監視"する「観客」には、現在その地位を確立しつつあるYouTuber達が配役されました。脱出を図る生徒達のパフォーマンスに「いいね!」を与えたり、辛辣なコメントを書き込む。タイトルからも、視聴者の目線や批評性を意識した重要な役割だと言えます。彼らの演技次第では、終盤「生徒達との関係性にも変化が起きる…」など、ストーリーの幅も広がりそう。単なる"イロモノ"の域を出る活躍を期待しています。

youtu.be 落語家・立川吉笑さんも視聴する関西出身のヒカルさん。劇中割と良い表情を抜かれています。

 

この「残酷な観客達」には、若者を中心に人気の"デスゲーム"要素が含まれています。

若い俳優と"デスゲーム"の組み合わせは珍しくありません。日本だと、深作欣二バトル・ロワイアル」以降によく見られます。アニメ「ソードアート・オンライン」や、中高生の間で流行する「人狼ゲーム」も同じ系譜。また、劇中ゲームの観客(視聴者)が、プレイヤーの運命を左右する設定も目新しい感じはありません。

youtu.be 有村架純黒歴史。途中で瞬きしたのか、死んだ時に顔が半分しか映らない。

 

"デスゲーム"を代表する作品が、スティーブン・キングの小説「死のロングウォーク」「バトルランナー
ここから「バトルロワイアル(漫画)」「SAW」「CUBE」といった"デスゲーム"作品は誕生しました。

 

ちなみに、ジュール・ヴェルヌ「十五少年漂流記」を源流とする"漂流"作品も、本作との共通点が見られます。ウィリアム・ゴールディング「蠅の王」、楳図かずお漂流教室」、サンライズ制作「無限のリヴァイラス」、J・J・エイブラムス「LOST」辺りは、正に"集団隔離された状況で理不尽な適応を強いられる"物語です。

 

"デスゲーム"作品や"漂流"作品は、人間同士の"闇"を描くケースが多く、いわゆる"鬱展開"に陥りやすい。
それこそ「進撃の巨人」も"大人に支配された閉塞世界"で若者(弱者)が生死をかける題材。「仁義なき戦い」も"親子の意味"こそ違いますが、息苦しい世界で理不尽な状況に置かれる若者の話(BRの源流でもある)です。

youtu.be 内田樹は「押しつけがましい」と評しましたが、結果的に深作監督の「遺言」だった訳で…。

 

その一方で、作中欅ちゃん達はタブレットの前で「変顔」や「物真似」に挑戦します。これは彼女達が冠番組(けやかけ,KEYABINGO)で培ってきた芸。演技も含めて、彼女達は"試されている"節がある。「残酷な観客達」は単なる"デスゲーム"作品ではなく、欅坂46の"中間テスト要素"を含んだ実験ドラマなのかもしれません。

こうなると、「酷評の嵐」と銘打つネットニュースも言及していましたが、視聴者の中で温度差が分かれる可能性が高い。前作「徳山~」の作風を期待した人は落胆しそう。従来の48系ドラマを期待した人は言わずとも。加えて、"デスゲーム"作品は派生を含めて、ルールの整合性が取れないと批判を受けやすい。今作も密室空間を壊しかねない重大な欠陥が見られます。演者側の制約が原因の一つでしょうけど、指摘を受けるのは当然です。

バラエティ要素(現実要素)を含むなら「7人のアイドルゴーゴー!」くらい振り切る方法もあった気はします。

youtu.be 結構面白かったけど、後番組が大ヒットし過ぎて記憶から消えたパターン。

 

いずれにせよ、今後のカギを握るのは脚本を務める劇団マハロ主宰の矢島弘一さん。
向田邦子賞を受賞した連続ドラマ「毒島ゆり子(TBS)」は最高に楽しめました。
この劇団は女優さんが凄い良くて、可愛さを引き立たせつつ、色んな表情を引き出す。女性同士の複雑な絡みや深いテーマ(社会問題)への転換が上手く、本作もSNSや閉鎖的な設定を有効に利用してきそうです。

 f:id:beggaman:20170519135517j:plainf:id:beggaman:20170519135644j:plain

 

百合設定を醸し出す"てちねる"。何れ化けの皮が剥がれそう。
放課後に校舎から転落する生徒。深田恭子主演「死者の学園祭」や、伊藤潤二作品を連想させます。

 

EDにはMVの一部が流用されています。教室で気怠そうな表情でラップ(?)を披露。「世界には愛しかない」の傘に続いて、今回は靴を使ったパフォーマンス。雨が降る中、ブラウス姿で踊るサビは相米慎二台風クラブ」を彷彿とさせる。雨に塗れた制服とプールで濡れた制服(ガールズルールMV)では異なる趣きがあります

 

"アイドルドラマ"特有の棒読み台詞も面白いです。むしろ、この手の作品で「芝居をし過ぎる」のは減点材料。但し、ナレーション過多と説明台詞の多さは目に余る。シュールさが増すし、結果全員の出番は保たれますが。
テロップで煽る演出は最近のドラマらしい(主に広告畑の制作陣)手法。これも個人的には好きじゃありません。

news.walkerplus.com ポンコツキャラの尾関師匠。追い込むと本領を発揮しそうな雰囲気。

 

インタビューで「(メンバーが)演技に慣れてきた」という織田さん。
重要なのは現場の空気に慣れる事。「上手い」「下手」は作品によって重要性と基準が変わってきます。どうも「棒読み」を嫌い過ぎる世論に違和感があります。アイドルドラマにおいて、演じる度合いは考えどころ。

 

いずれにせよ、まだ1話が終わったばかり。どのようにストーリー展開するのか。教室内で全て収まるのか?
休業中の今泉はどう扱うのか。引き続き注目していきます。

 

 

以下、適当に。

 

beggaman.hatenablog.com 大人への"反抗"と運命に対する"畏れ"は若干薄れた印象。

 

 

beggaman.hatenablog.com 一旦この手法がウケると、別方向からのアプローチは難しいですね。

 

 

youtu.be 実は「逃げ恥」より昨年ハマったドラマ。寡黙なチータス高木渉に中性的な橋爪淳とか俺得。

 

 

youtu.be だんだん飽きてくる内容を補完するBerryz工房℃-uteの可愛さ。これぞアイドル映画。

 

 

youtu.be 巨匠ハネケが描く「残酷な観客達」とも言える。こちらの受け取り方が重要視される厄介な作品。

 

 

youtu.be 「カイジ」といい、「デスノート」といい、藤原竜也は映画で生死賭けすぎ。なお映画自体が爆死した模様。

 

 

youtu.be キング感ゼロ。良い感じに脳ミソが溶ける作品。日曜夜は報道じゃなくて、こういうのやらなきゃEX!!

 

 

youtu.be 前作「ビーストサイド」も良かったが、それより好きかも。人狼シリーズは案外完成度高い。 

 

 

youtu.be 原作未読も金子監督らしいアイドル映画。路線としては「残酷~」ぽい。前原梨奈の死顔はやり過ぎ。

 

 

こんな感じで。