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『雑感』

稀に更新します。

『沈黙-サイレンス-』を見てきた感想とユングフラウ賞予想。

 

 

マーティン・スコセッシが長年の構想を経て、ついに遠藤周作の小説を映画化した『沈黙-サイレンス-』
公開されて1カ月近く経ちますが、2017年2月の時点で今年ベストかもしれません。本当に素晴らしかった。

chinmoku.jp

島原の乱が鎮圧されて間もない江戸前期。宣教師のロドリゴは師匠フェレイラが棄教したと聞きつけて、キリシタン弾圧の厳しい日本に潜入する。そこで見たのは、残忍な拷問の末に殉教する信者たちだった。再開を果たした師匠や幕府の役人との交流を通して、キリスト信仰の根源である〈神の沈黙〉とは何か、宗教・信仰とは何かを説いた遠藤周作の長編小説。

単なる宗教映画ではなく、全ての人間に付き纏う「苦悩との付き合い方」を描いた作品。そうした意味では宗教というだけで毛嫌いする人間や無宗教の人間こそ見て、何かを感じ取って欲しい意図があるかもしれません。
ギャング映画の印象が強いスコセッシ監督は、マフィアの街で育ち、神学校を目指した人間。作風は『タクシードライバー』等からも「苦悩」と「暴力」に満ちており、彼が遠藤周作の『沈黙』に共感した事も頷けます。

目に見えない宗教との対話。目に見える人々との対話。それを通して、殉教とは何か。棄教とは何か。
不条理な世の中で全ての人間に付き纏う「暴力」と「苦悩」を描いている。原作に忠実でもあり、監督のテーマが色濃く出ています。不条理を「受け入れる」か。それとも「抗う」か。はたまた「沈黙する」のか。
塚本晋也演じる「モキチ」と窪塚洋介演じる「キチジロー」は切支丹として異なる考え方・選択を下します。
どちらも間違っていないし、どちらも正しいとは思わない。これは師匠フェレイラの選択にも言えることです。

目に見えないもの(匿名・ノーリスクの立場)で命を粗末にする(空気を読まない・炎上する)くらいなら、禁忌を侵す(口裏を合わせる・片棒を担ぐ)方が良いじゃないか。それが合理的なら間違いない。…本当にそうか?
いや、純粋な気持ち(居心地悪さ・閉塞感)を溜めこむより、それが論理的で正しいと思うなら、臆することなく行動すべきだろう。周りを気にして妥協する必要はない。…それも押しつけ(暴力)ではないだろうか?

キリスト教を弾圧する幕府の描き方も良くて、単に「けしからん!」「殺せ!」ではありません。イッセー尾形演じる井上政重浅野忠信演じる通辞は、論理的且つ狡猾に尋問。宗教とは何か?棄教とは何か?を説きます。井上筑後守が○○○○だと知らない観客は「こんな役人いるはずない!」なんて思うかもしれませんね(笑)

一番の見所は何度かある「踏絵」のシーン。踏むことは正しいのか。踏まない事は許されないのか。
弾圧も「暴力」だけど、殉教も「暴力」という見方もある。この自問自答を繰り返します。
俳優たちの演技も良くて、リーアム・ニーソンやキーラン・ハインズ、イッセー尾形窪塚洋介も良いですが、塚本晋也監督演じるモキチは良かったです。後は上記の踏絵シーンに登場する加瀬亮AKIRA(EXILE)。
外国映画で酷い目に合う加瀬さんと相も変わらずの琥珀さん。また短い登場の中村嘉葎雄様も貫禄ありました。

力背景的にどうしようもない不条理な状況で、何を信じるのか。何を受け入れるのか。何のために生きるのか。
キリスト教を通じて、現代に「突きつける」のではなく「提示する」建設的な作品に仕上がっています。
精神的苦悩や宗教的ゲバルトに関する社会問題が多い中で、これは人に勧めたくなる映画だなと思いました。

 

 

そんな感じで、ユングフラウ賞は手短に。

 

 

ユングフラウ賞
◎グラスサファイヤ
〇スターインパルス
▲ピンクドッグウッド,アップトゥユー
△アンジュジョリー,ゴーフューチャー,ステップオブダンス
⇒短縮スターインパルスと文男替ゴーフューチャー。共に速いが、石崎逃げ⇒文男番手の流れは自然に見える。これにピンクドッグウッドと外からアップトゥユー。比較的基礎SP高い馬が揃い、淡々と流れるのは必定。
速い流れの対応&上がり重視。グラスサファイヤで勝負したい。前走は外枠から位置取れず4,5番手追走、2走前は内目「漁夫の利」で連続4着。基礎SPは悪くないし、好調の今野騎手が最内を上手く立ち回れば。

スターインパルス本命でも良かったが、前走自信の◎をもう一度は気が引ける、短縮は間違いない。後は序盤の隊列次第。ピンクドッグウッドの東海移籍は戦略(コスト+低負荷好仕上げ+選択肢増など)か。基礎SP最上位も次を見据えてきそう。その方が良いと思う。アップトゥユーも同様。こちらは前走馬場を考えると参考外。
アンジュジョリーは笹川替で「漁夫の利」狙い。近2走反応鈍く、血統的にも距離短縮で一変欲しい。B着文男の文字列が怖いゴーフューチャーは強烈な意図を汲み取り、単純に楽しみ。良血ステップオブダンスと前走健闘のヴィーナスアローも怖いですが、前者は位置取り、後者は臨戦、共に鞍上面で不安。この辺りは馬体を見て。