『雑感』

稀に更新します。

徳山大五郎は誰が殺すべきだったのか?

 

テレビ東京「徳山大五郎を誰が殺したか」が、無事最終回を迎えました。

youtu.be 突貫工事とは思えないかと言うと…細かい所は欠陥だらけですが。

欅坂46のメンバー全21人が総出演&初主演となる学園ドラマ。
ある朝、教室で担任教師・徳山大五郎(嶋田久作)の遺体を発見した女子高生達がそれを隠し通すために、また真犯人を見つ出すために奮闘する学園ミステリー。

欅坂46楽曲の特徴でもある"大人への反抗心"と"思春期の葛藤"が随所に盛り込まれた全12話。
その特徴は、48G主演「マジすか学園」の系譜である"学芸会の延長"路線を刷新した事にあります。

OPから視聴者の興味を引く手法は堤幸彦を髣髴とさせ、回収出来ない規模の伏線を張り巡らす手法は中田秀夫を髣髴とさせる。タイトルバックや映像表現の工夫を見ても、アイドルドラマの枠を超えています。

撮影前にはワークショップが設けられ、演技の基礎を学習。これにより、事実上"3列目"メンバーにチャンスが巡りました。配役面でも、従来の「あだ名」設定を撤廃。メンバー全員が実名配役という新しい試み。

 

主人公は「サイレントマジョリティー」でも一際輝きを放っていた、センター平手友梨奈

beggaman.hatenablog.com アイドルの域を超え、2016年を代表するJ-popになりそうですね。

目力の強さはそのままに、デビュー時の「幼さ」≒「田舎感」を脱した彼女は、今作で"主人公"格の女子生徒を演じています。秋元康氏と舞台鑑賞するなど、真剣に演技と向き合っている様子が伺えます。
劇中彼女と相対する中心メンバーが、タイトルバックでもトメを務める長濱ねると渡辺梨加の2人。

初期オーディションを家庭の事情で途中辞退するも、紆余曲折あり"1.5期生"として加入した長濱さん。現在はけやき坂46(ひらがなけやき)を兼任しています。柔和な雰囲気に冷静な表情が垣間見える彼女は"ポスト平手"の座を確立。平手さんと相対する"謎の多い不登校生"を好演しました。

結成時からセンター候補の渡辺さん。「喋らない」「運動神経ゼロ」「マイペース」なポンコツキャラを確立。その容姿とキャラから、握手会での人気は一、二を争います。今作ではスマホで死体と自撮りを繰り返したり、クラス内で次々と起こる騒動をひたすら動画で撮り続けるミステリアスな役を演じます。

それから、オシャレ番長役の渡邊理佐。高身長&小顔のモデル体型で存在感がありました。両脇を支えるのは、演技経験のある石森虹花と器用貧乏の斎藤冬優花。この3人組はバランスが良かったですね。

さて、本作の主役"徳山大五郎"。乃木坂46「シャキイズム」MVに続く、嶋田久作さんの起用には驚きました。
嶋田さんと言えば『帝都物語』の加藤保憲実相寺昭雄岡本喜八大林宣彦監督作品に顔を出す名優です。

youtu.be 加藤役は当初"ジョリーダンスの馬主"だったが、実相寺の「理屈っぽくてNG」で、嶋田さんに回って来たとか。

9月11日に放送された『欅って、書けない?』内のアンケート企画で、各メンバーに関するアンケートを用紙いっぱいに書いてくれた話が披露されました。個人ブログでも彼女たちの成長、呑み込みの早さを賞賛しており、正に1学期「担任」だった様子が伺えます。忙しい合間を縫っての撮影ながら、頑張った甲斐あったのでは?

さて、多少ネタバレに入りますが…。
本作は後半に連れて無理が生じる脚本だったと感じます。つまり撮影中に真犯人が決定しており、何パターンかの台本が用意、彼女達の演技を見て判断したと。しかし、よく考えると割と"積みパターン"なんですよね

このタイトルを見て、「ローラ・パーマーを殺したのは誰か?」を思い出しました。
ディヴィッド・リンチ&マーク・フロスト制作総指揮「ツイン・ピークス」の"ローラ・パーマー事件"編です。主人公のFBI捜査官が、ツインピークスという田舎町で殺された女子高生ローラ・パーマーの事件を捜査する。最初は「殺人事件の捜査」なんですが、徐々に町全体を覆う狂気と闇が見えてくる…。

 

 

個人的には「徳山大五郎は平手友梨奈が殺した」結末が見たかったです。

死体を隠すため、クラス全員が団結する世界線を夢見た平手。
孤独に苛まれる渡辺梨加を利用して、教室内グループの"建前"を破壊したかったとすれば…。
裏口入学がバレて学内の地位を失う菅井友香。寵愛する鈴本尾関らに裏切られて孤立する守屋茜
渡邊理佐と長濱ねる"禁断の恋"。石森虹花との三角関係に発展し、やがて殺傷事件に繋がる。
全ての人間関係・グループ関係がリセットされて、教室は一から再構築される。
そして、それを徳山も受け入れていたとしたら…一人の生徒と担任教師による「クラスゲーム」
ところが、その思惑に誤算が。平手に立ちはだかる"2つの狂気"。
死体芸術に魅了された佐藤詩織。隠された狂気が覚醒し、ついには第二第三の被害者を生み出そうとする。
クラス全員から一目置かれる米谷奈々未。全てを利用し、"討論者"となって、平手に挑戦状を叩き付ける。
最後に平手が下す決断は…。もっともこれ、「マジすか学園2」でやって欲しかった題材なんですけどね。