『雑感』

稀に更新します。

今更『ダークナイト ライズ』について振り返る

 

 

今更『ダークナイト・ライジング』について語る必要もない訳ですが…

youtu.be この予告の時点では色々妄想したんですよ。本当に。えぇ…

娯楽作品として楽しめた。前作ほどではないにしろ、個人的には面白かったです。
何よりノーランが築いた"ダークナイト・トリロジー"は、後世の映像作品に多大な影響を与えていくのかなと。漫画原作の実写化は「忠実」よりも「再構築」だと思いますし、(良くも悪くも)自分色に染めた点は立派です。

1作目『バットマン ビギンズ』は「常に主人公が悩んでいる」作品。不条理な社会に悩み、"正義のヒーロー"としての自身に悩み、宿敵・デュカードとの対決(問い)に悩む。ただ、結局のところ悩みは解消されない。

youtu.be ハッキリ言って、バットマンじゃなくても成立する物語なんですよね(笑)

序盤(腐敗した)ゴッサムでは正義や法律の力が通用しないと知ったのに、(散々グレまくった後)ヒマラヤで修行しながら、捕らえた殺人犯を「裁判にかけるべきだ」と殺せなかったり、その後「自ら恐怖を与え、悪党から人々を守る」とのたまう。脚本ミスではなく、"優柔不断な"バットマン…常に大切な人の言葉が頭に浮かぶ様なバットマンの物語といった感じか。アメコミものとしては微妙だし、渡辺謙の扱いといい、残念な箇所は多い。

2作目『ダークナイト』は、そんな("殺さないけど、助けない"精神の)主人公が「殻を破る」作品。ヒロインが女検事から最恐の敵ジョーカーに代わり、彼との対決(問い)に悩む。そして上記の様なバットマンだからこそ、ジョーカーは負けてしまう。(優柔不断で愚かだが)正義を信じ切った男たちの行動に彼はニヤリと笑う訳だ。
この作品以降、単純に善悪で物事を切り分けない物語・天使と悪魔的問いかけをする物語が増えた気がします。

youtu.be ヒース・レジャーの名演に尽きる。本当に素晴らしかった。

そんな感じで。善悪の二項対立を突き崩した「前作」を超えることは難しいと思っていた自分は期待値を下げて鑑賞出来ました。故に『ダークナイト・ライジング』は「迷いから覚める」物語にある意味なってる!と。

youtu.be ハンス・ジマーの楽曲はいつも及第点を超えてきますね。

本作の主軸は警察と犯罪者の対立。両陣営とも"暴力じみた"法の秩序と自由しか考えていない。そんな世界で「殻を破った」はずのバットマンは三度悩んでいる。しかし、敵の逆恨みで損害を受けたことから覚醒し、前線に立つ。クライマックスは暴力お祭り。そして大爆発。なんやかんやで暗い影を落とした街に…みたいな感じ。
まぁテーマ性のある娯楽作品を期待したら、残念!的な展開は『相棒』SPで慣れていたのも良かったかなと。

暴力お祭りだからこそ、愛すべき"筋肉バカ"のベイン君は嫌いになれないし、登場するメカ兵器は格好良いし、アン・ハサウェイのお尻は最高だし(セクハラ)、何よりバットマンが"覚醒"して頑張ってくれたのは嬉しい。
最後まで「スーパーヒーロー」じゃなかったけど(背骨を治した小林昭二は最強のSPECホルダー)、それなりのケジメはつけた。イタリアでのんびり余生はムカつくけど、アルフレッド爺やの笑顔を思うと…許せました。

少なくとも元カノ(ジョーカー)は生きているし、今後も世を舐め腐っている様ならお仕置きに来るだろう(笑)

核兵器の取り扱いや矛盾点の数々は映画評論家・町山智浩さんが詳しく説明しており、そちらを参考に。
もちろん『ダークナイト』との落差はあるし、残念過ぎる内容は否定できないが、僕は嫌いじゃないです。

そして、町山さんが考える『ダークナイト・ライジング』も実に"ノーランっぽい"。良いと思うんです。

www.enterjam.com 合わせて「ダークナイト」の"ジョーカー像"を視聴するのがベストです。

ということは、ノーランも分かってて(町山さんも分かってて)こういう展開に帰結したと考えると…