『雑感』

稀に更新します。

映画「外事警察~」の感想と

 

 

以下、映画『外事警察~その男に騙されるな』の感想を。

丸の内TOEIで鑑賞。新宿東映(現:バルト9)と異なり、古い映画館の趣が残っていますね。
パンフレット等が角っこで売られていたのには驚きました。

 

外事警察~その男に騙されるな』 待ちに待った「外事警察」シリーズの映画化になります。

テレビシリーズは『ハゲタカ』を超える大ヒットを記録しましたが、本作の公開期間は約1か月と短く、大掛かりな宣伝もありません。というのも、ある種タブーといえる日本・韓国・北朝鮮3か国の緊張感を題材に「3・11後の日本」を描いている。"敢えてメディア戦略を打つ必要は無い作品"とも言えます。

また、激しいアクションではなく交渉・工作・間諜のシーンが見所で、それこそ『裏切りのサーカス』に代表される"ル・カレ作品"と近しい所があるシリーズが、映画化らしく銃撃シーンと肉弾戦も用意されており、とりわけMIS(韓国公安)との組み合いは、韓国ノワールを髣髴とさせる"鉛"感が画面に漂います。

娯楽要素を強めた一方で、脚本は粗が目立ちますテロリストの大義名分と依頼国が曖昧なため、事件の全容が見えない。冒頭でいとも簡単に最重要人物を日本に帰国(一番厳しいミッションなのに、主人公の渡部篤郎一人で完遂する)させながら、いとも簡単に最重要人物を監視・警護する公安警察官が殺され、逃げ帰られる展開は都合良過ぎです。渡部篤郎が唐突に負傷する展開も謎(しかも直ぐに復帰)。予告編で刺されて倒れる渡部のショットを差し込みたいだけ。「取って付けた」演出の上に動機が見え見えです。韓国側の演技・演出は申し分ないですが、女性捜査官に関しては"お飾り感"満載だったなぁ…と。

また、古沢脚本といえば「取って付けた見せ場」と「伏線のための伏線」今回も悪目立ちしています。

その最たる例が、田中泯演じる最重要人物。「取って付けた」行動原理と「伏線のための暴走」ばかり。冒頭の(思わせぶりな)真木よう子のシーンも終盤回収しますが、パトカー"一台"は緊張感が無さ過ぎる。

何より主人公(渡部篤郎)が格好良くない。『刑事コロンボ』の様にエピソードを重ねると、主人公の失策(敵の罠にかかる)シーンはよくあります。とはいえ、部下&上司の方が優秀に見えるのは"らしくない"。

実際の背景・環境を考慮すると攻めた作品ですが、結末といい、切迫した場面でのスケール急落といい、要所で勿体無い印象を受けました。銀残しを用いた撮影手法など、技術・演技面は素晴らしいです。

 

そんな感じで。テレビ版に比べると、もう一つ物足りない作品でした。

役者陣は悪くありません。特に女優陣。暫くは真木よう子さんと尾野真千子さんの時代が続きそう。
遠藤憲一さんと石橋凌さんは(いつもながら)格好良い。滝藤賢一さんも売れて、出番が増えましたね。

田中泯さんは異様な雰囲気を纏っている。『たそがれ清兵衛』『ハゲタカ』『隠し剣 鬼の爪』『八日目の蝉』どれも存在感が凄い。揺らいでいる様で揺らいでいません。氏の根底である「オドリ」を一度体感したいです。

 

後はブルーノ・マーズの楽曲。

youtu.be 声が気持ち良い。シンプルな音が良い。

ただ、本編(エンドロール)で流れないのは。実質イメージソング扱い。権利的なことなんですかね。