『雑感』

稀に更新します。

2~4月にかけて見た映画の話

 


ここ数カ月観た映画をまとめました。
なお「ゾンビアス」と「劇場版テンペスト3D」は割愛です。書く事ないです。

 

 

ヒューゴの不思議な発明

youtu.be 予告編に重要なネタバレが…

マーティン・スコセッシ監督の最新作。原作未読の上、評判だけ聞いて「スコセッシが3D?」「ジュブナイルもの?」と思いつつ見に行くと…案の定。でも、ポンキッキーズ世代なら予備知識なしでも分かる気がします。
壊れた機械人形や時計台のシーンを始め、絡繰り仕掛けと3Dの相性が良くて、正に"絵本の世界にいる"気分。デジタル撮影ながら、フィルム以前の映像作家たちに敬意を示す作風。これは是非3Dで見て欲しいものです。

冒頭から印象的に描かれる"歯車"。悪い意味で使いがちも、本来は"お互い噛み合って活きる"良さを持ちます。
駅で暮らす孤児のヒューゴは、亡き父親が遺した"壊れた機械人形"だけが生きがい。生活のためなら平気で物を盗む。やがて様々な人と交わり、仕事を得る事で"活きがい"を導き出す。今作の登場人物は皆"大小の歯車"で、お互い活き合っている。スコセッシ作品にしては珍しく、多くの人を幸せにしてくれる映画だなと感じました。

 

 

海燕ホテル・ブルー

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運命的にも"海燕ホテル"に集った男3人が、素性不明の女性に翻弄される。まぁ男たちを見ていると、「馬鹿だなぁ」と思ってしまうんですが。予告にもある"道を聞くシーン"は演出も一工夫あって、楽しめます。
若松孝二監督が久々に重苦しくない映画を撮ったなと。そして遊び心たっぷり。ARATAさんの演技も良い。
青みがかった色使いの良さ。同じ(様な)シーンの使い分け。見所は沢山あります。
とはいえ、衝撃性や迫力には欠けるので、それらを求める人は若松監督の旧作をレンタルして下さい。

 

 

 SHAME -シェイム-

youtu.be 監督"スティーブ・マックイーン"と聞いてビックリしたやつ。

ニューヨークに住む一流企業の管理職であるブランドンは深刻な性依存症に陥っていた。 そこに情緒不安定な妹のシシーが転がり込んでくる。最初は穏やかな生活を送っていたけど、やがて色々と問題が生じ始め…。
性依存症に陥る理由って何でしょう?人を愛する事が出来ないから?病気だから?本当にそうでしょうか。
序盤、何度も電話を掛けてくる妹。それに出ないブランドン。このシーンは突きつきられました。
毎晩の様に女性と性行為や自慰行為を繰り返すにも理由がある。"恥"を自覚している。本当に求める"愛"は遠い所にあって、むしろ自ら遠ざけているんです。人間を辞めるか、恥を克服するか…とても辛い二者選択。
女性は「男って嫌だねー」と思ってくれたら、男性は「あー分かるなぁ…」と思ってくれたらOKな作品かな。 

 

 

 キリング・ショット

youtu.be ブルース・ウィリス作品かと思いきや、アイドル映画という…

ブルース・ウィリスが脚本に惚れ込んだ?と聞いて見てみたが、何ともタランティーノ作品でした。冒頭の急展開は「?」とさせますが、いわゆる時系列のイジり。音楽の使い方も含めて円卓型活劇だなと分かります。
主人公の女3人組が可愛い。とある理由で彼女たちはマフィアのボスであるブルース・ウィリスに命じられて、田舎の食堂に押し入るのですが…。フォレスト・ウィテカー演じるマフィアの部下が飄々として曲者感が凄い。
ブルース・ウィリスを期待した人は後悔しますが、タラちゃん風アイドル映画としては面白かったです。

 

 

劇場版 SPEC〜天〜

youtu.be 神木君が時間を止めて女の子を襲えば満点なのに…

ドラマ版の終わり方的にも続くのは分かっていたし、戸田恵梨香加瀬亮も逃げない点が堤さんの良さであり。
今回の敵は「昭和CMをパクった」キャラで、浅野ゆう子が登場。能力的にも凄腕だと思ったんですけどね…。
椎名桔平(津田)が真面目になってないか?と思ったら、案の定だったり。戸田恵子の声?と思ったら以下同訓。
別に良いんですけど、椎名や福田沙紀の扱い方が雑過ぎませんか?もう少し既存のキャラを活かした方が良いと思うんですけどね。伏線に伏線を重ねる展開はお馴染みで、その全てを回収しない。要は「(天)転」な訳で。
もう突っ込む所が多すぎますが、好きな人だけ見ればよいかと。個人的にはテレビSPの方が好きでした。

 

 

ドライヴ

youtu.be とはいえ殴り合いはリアルじゃない…のかも。

前評判通り"素晴らしい映画"。内容はシンプルですが、これが格好良くて。

冒頭の静かなカーチェイスから最高。台詞も殆ど無くて、車体を映さず、車内と車内からの景色が続く。これがドライヴのシーンになると、車体と美しい景色と良い音楽が組み合わさる。この対比は面白いですね。

全体的にリアリティあるが、肝心の"主人公の存在"に無敵感漂う。普通に見える主人公が、とにかく無敵です。ある意味「ヒーロー映画」と言えるのではないか。このレフン監督、只者じゃありません。

序盤は恋愛要素もありますが、やがて話がこじれる。とにかく、北野映画に近い"追い込まれ方"かもしれない。
それこそ、暴力の繰り出し方は北野作品的。唐突に形あるものが崩れる。銃よりも刃物の方が痛々しくて…。

説明は無いし、過激シーンも多く、登場人物に共感はし辛く、万人受けしない作品だとは思います。
各方面で絶賛される通り、恐らく2012年を代表する一作になるでしょう。これは是非のおススメです。