『雑感』

稀に更新します。

クローバーフィールド・プロジェクト

 

 

◇噂の怪獣映画『クローバーフィールド/HAKAISHA』を見てきた。

細かい考察は後程書くとして。

この作品に関心が集まったのは、画期的なプロモーション戦略とネット上での話題作りに尽きる。

昨夏トランスフォーマー』の上映時に「J.J.エイブラムス」「08.01.18」と表示されたタイトル不明の予告編が出回り、世界中の話題をさらう。日本でも予告編&劇場版ポスターが公開されると、ネット上に関連映像・画像*1が見つかり始める。早速2chに考察スレが立ち、オタクな人々の好奇心を焚き付けた。

Tagruato - Exploring the World. Ensuring your future. タグルアト社 公式サイト

911テロを髣髴とさせるNYの惨状、自由の女神が崩壊する予告映像は米国人に"flashback"を与えたが、日系企業の暗躍、怪獣を思わせる巨大な影&呻き声は日本市場をかなり意識しているように思えた。
その一方で、ニュース映像や(作品内に登場する)企業・商品の公式HPに"絶妙なパチモン臭"を感じたり。

全米公開後の反応は賛否両論だったが、CS『MTV SCREEN』で一早く試写に参加したRHYMESTER宇多丸さんが言葉を濁す*2など、徐々に雲行き怪しくなる。不安を抱えつつも、怪獣目当てで鑑賞した。

少しネタバレ*3すると……。本作は怪獣版のブレア・ウィッチ・プロジェクト』であり、怪獣・政府・自衛隊の"お仕事"よりも、街中を逃げ惑う人々に焦点を当てたドキュメンタリー風SF作品と言える。
合わせて公開前の段階から、大量に伏線を散りばめていく。観客の想像力を掻き立てる上手な仕掛け。

 

個人的な感想としては、伏線の回収を先送りし過ぎ。予告を超える見せ場が少ない。何より怪獣がアレ。
メル・ギブソン『サイン』じゃないが、どうして「怪獣の正体」を明かしてしまうのか。その上で物語が進展せず。確かに配給会社も*4気を使うわけだ。911的なテロを思わせるミスリード(?)も致し方ない。

暴れる怪獣を"逃げ惑う人々の視点"から描いた作品は有りそうで無い。フェイクドキュメンタリーという映画手法を確立させた『ブレア・ウィッチ~』の賜物。戦争を知らない若者たち目線な点も良い。
だからこそ"人"を描けていない脚本が、全く盛り上がらないストーリーが、本当に勿体無い作品だ。

 

もっと登場人物を活かして欲しかった。もっと怪獣を活かして欲しかった。
東宝特撮への敬意は感じるし、紛れもない怪獣映画だと感じるだけに、凄く惜しい。

 

 

以上、当時のブログより。

*1:SLUSHO!と呼ばれる謎の飲料HPとCM。巨大な魚の死骸写真、海底の蜜なる資源など。

*2:試写会では映画業界人らに睨まれたなどと話を濁していたが…。

*3:予告編とネット上の関連映像を見れば、大体の想像が付きそう。

*4:怪獣映画と銘打てば『GODZILLA』を髣髴させてしまい、観客が入らない。